
マダガスカルとの時差は日本が6時間早い。
12月に入ってからは自分の仕事以外に外部の仕事も
手伝っていて泊まり込みも多々。
彼も観光で、離れ小島や密林に滞在で通信圏外だったりで
時差も加え、なかなかチャットもビデオ通話もままならぬ日が続いている。
それでも先日ようやく会話が出来た。
私と連絡が取れたのは、Facebookがきっかけだったようだ。
”私の名前”・”何か彫刻をしている”の2つのキーワードで探していたようだ。
Facebookには私の名前はアルファベットであったが相当他人が居る。
メルアドやHPへの紐付けはしていなかった。
(今日、HPへの紐付けはした。)
彼はとにかく苦労した!と言っていた。
私も何度かインターナショナルヤフーなどで名前を入力して試したことが
あるが、まずHPでも持っていない限り無理だという感触であった。
私のIDがフルネームのアルファベットでなければ、こうした連絡は
なかったのであろうと思う。
それにしても本当に世界は狭くなったものだ。
海外だろうがいつでもどこでもビデオ通話が。
改めて実感しています。
昨今のバックパッカーや青年海外協力隊員の生活は色々と変わって
いるのだろう。
孤独も半減しているのだろう。
画像は彼と出会って1年後の一人旅で彫ったココナッツ。
(以前にもブログで使ったかな!?)
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- 2022/12/31(土) 14:49:35|
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この、日の出の朝を迎えたその日から会う人が沢山出てきた。
地元のインド人来訪者だったり、このセラニティに数年住み続けている
フランス人達だったり、多数の人と知り合いになってきた。
この人はフランス語はもちろん、地元のタミール語も英語も理解できたから
逐一私に説明や翻訳をしてくれる。
友人達のこと、料理や食材、穴場の食堂、セラニティや、南インドのことなど。
女性口調で表してしまったが、単語の羅列とジェスチャー混じりのカタコト
英語だった私に同調してくれ、理解できるように優しく話してくれていたのだ。
この人は長く美しいドレッドヘアのアフリカ系フランス人の男性である。
お陰で一気にここでの生活の厚みが増した。
それからはこのセラニティを拠点とし、仲良くなったフランス人彫刻家、
料理上手なインド人を加え、4人旅をしたり、彼と二人旅で
南インドをしばらく徘徊や冒険をしたりしていた。
この二つの旅は、けして一人じゃ行けない所、行かない所の
波乱万丈の旅であった。
本当に濃密な時が流れていた。
彼とは、何か不思議とも言えるハートの繋がりを感じていたし、彼
もまた、直ぐにまた会える気がしているとよく言っていた。
彼の帰国が迫って遂に別れた時は、子供の頃,穴の開いたポケット
に大事なお菓子を入れて遊び、失くした時の感であった。
別れた場所は空港でも駅でもなく、田舎の砂ぼこり舞う誰も居ない
バス停で、私の気持ちを現わしていた。
この別れから1年後と3年半後の2度、フランスに行く機会があり
再度楽しく充実した時間を過ごし、その後はクリスマスカード等を送りあっていた。
それからは住所も変わり、25~6年音信不通となっていた。
10日前同じ発送元から6通のメールが。
4通は空メールで後の2通にあの神を讃えるマントラが!!!
え~!嘘でしょ~!
直ぐ返事を書いた。
半日後に返信が、メッセンジャーのIDネームが記されていた。
私はメッセンジャーを使ったことはなく戸惑ってしまったが
慌ててFacebookで検索し、お互いの紐付けを待っていた。
この時まで知らなかったのだが、Lineは日本と東南アジアの3か国
ぐらいで世界の主流は”Whatsapp"と”Messenger"らしい。
翌朝起きてスマホを見るとメッセンジャーにビデオ通話の不在着信が3回。
フランスとの時差は8時間。
ドキドキしながら向こうの朝を待ってかけてみた。
スマホ画面に飛び込んで来たのは26年ぶりの彼の顔!
お互い歳を取ったが一気に時間がワープ。
彼はバカンスでマダガスカルに居た。
私のアドレス発見までのストーリーを聞きたかった。
<続く>
画像は当時の旅の終わりに彫ったココナッツカービング。
ココナッツの大きさは5.5cm。
この小さなココナッツを手に入れるのが難しい。
- 2022/12/20(火) 12:58:41|
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今から36年前、インドを旅していた。
南インドのタミールナドゥ州にある唯一フランス領だったポンディシェリィ。
街のはずれにセラニティと言うビーチがあった。
安コテージや安レストランが点在している所で、フランス人をはじめヨーロピアン
のヒッピーやらが多かった。
まぁビーチと言っても当時は漁師達の部落の一画であった。
私はそこでココナッツの葉や幹や竹で作られた2F建てのコテージをしばらく借りていた。
ある昼下がり、私は屋根のない砂地に置かれた椅子とテーブルだけというレストラン
で人気のバナナクレープとココナッツミルクシェイクを楽しんでいた時だった。
私のウエストバッグに付けていたバッチを指さして話しかけてきた人がいた。
髪型の美しい人であった。
初めて見かけた人で今日ここに着いたという。
フランスからバカンスで訪れ、この場所には7年前から毎年来ていることなど
フランス語など解らない私なので、お互いたどたどしい英語での出逢いであった。
そしてその日の夕方、私のコテージのドアにノックがあった。
開けて見ると昼に言葉を交わしたその人がバックを担いで立っていた。
「あなたのコテージをシェアしたい。」「えっ!」
欧米の人のこういったシェアの感覚は日本人のそれとは大きく隔たりがある。
戸惑う私に「あなたのコテージは2F建てで2部屋あるし、節約にもなるでしょ!」
と言って中に入りバックを下ろしたのであった。
強引ではあったが、それよりもこの人に対する興味の方が強かった。
こうして数か月一人旅であった私の生活はこの日から一気に変化するのであった。
翌朝の夜明け前、私は起こされた。
「えっ!何!?」
「ビーチへ行く」「えっ、何で?私も?」
「そう、一緒に」訳が分からぬまま、眼をこすりながら外に出た。
ココナッツの林と黄褐色の砂が全て黒く染まっていた。
インド洋の高い波音だけが聞こえる。
波打ち際に近づくと
「さぁ、ここに座って待ちましょう」「えっ、待つぅ?」
そして4~5分後。
水平線が段々と明るくなってきた。
それから淡い靄(もや)の中から太陽が。
ゆっくり、ゆっくり、ゆっくりと。
靄があるので眩しくはなく、それは幻想的というか絵の中だった。
渋いオレンジ色から始まり、黄色の層が現れ、更に淡いピンクも重なった。
それらの色が微妙に変化しながら太陽の丸い全体象が水平線に浮かび上がった。
水平線上には緑色の線も走っている。
何も言葉が出なかった。
隣からは小さな声で神々を讃えるマントラが聞こえていた。
水平線から離れていくにつれ海の靄は引き始め、眩しさと熱を放つ
よく見る太陽に変わっていた。
<続く>
画像は水牛の角。
この時の旅で、ヒマラヤの麓の山小屋に一か月逗留していた時彫ったもの。
ごついペーパーナイフです。
- 2022/12/14(水) 06:09:03|
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輪切りはこうなった。
イメージを湧かせながら、二転三転しながら。
図面を引かず、サイズをメモりながら。
高さは約90cm。もっと高くしてデブチンな形と思っていたが、
宅急便価格がとんでもなくなることに気づき、変更となった。
家具は滅多に作らない、木彫り屋なので作る時は木彫り家具
としている。
当初は足に彫刻をびっしり入れようかとも考えたがこれも変更し
2面にだけ、申し訳程度に鑿を使った。
木彫り家具とは言えないものとした。
足の線が角張ってしまったのが反省点。
柔らかい曲線の方がと思う。
最後に引き出しを。
全て見える引き出しなので無垢材で。
材は槐とケンパス、一部黒檀。
- 2021/09/03(金) 10:12:00|
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直径40cm以上の槐(エンジュ)の輪切り。
画像を残しておけばよかったのだが、物置から出てきたものは
両面をチェーンソーで切ってあったのだが、片側は斜めに
もう片面は上下から刃が入っていたのででガタガタ。
厚み誤差は20mm弱。
いつかはテーブルにと保管していたが、あまりのガタガタで
放っておいたもの。
今回意を決して平らにしてみた。
板ではなく、木口なのでカンナはやめてルーターで少しずつ。
それから足にケンパスという赤い樹を使おうと思っているので
同材で穴を埋め木、割れ止めの蝶々を両面7カ所。
それから電動サンダー3種を駆使してツルツルに。
ここまで2日は要した。
まだ仕上げのサンダーには至っていない。
槐は国内に自生しているマメ科の広葉樹。
貴重な木で、芯材は脳褐色、辺材は黄白色で二つの色合いと美しい木目が調和される硬質で高価な銘木。原産は中国、朝鮮、日本で、北海道に自生するものはイヌエンジュと呼ばれる亜種で、本槐(ホンエンジュ)と比べると成長は早いです。 中国においては朝廷の三公の位を象徴する木として扱われ、高位の者が亡くなるとお墓に植えられたそうです。また、日本では古来から鬼門である北東に植えられ、魔除けの木として扱われていました。現在も飛騨地方では新築の際、北東に当たる位置に植樹されているようです。因みに我が家でも浅草寺ご神木の槐の種から育ったものを北東に植えてます。この樹は延寿とも書かれたりと,福を招き魔除けにもなる縁起の良い木とされ,重宝がられてきたようです。
現在では街路樹で見かけることがあります。北海道ではよく見かけますが、東京などでも環状線の一部に植えられています。
春になるといち早く独特の柔らかい緑色の葉が付き、あっ槐だと解ります。
小さな白色で房状の花も可愛らしいものです。
以前百貨店でのお客様から聞いたのですが、中国旅行に行った時に直径1m前後の槐の樹が何本か育っている場所に足を踏み入れたことがあるそうです。その場所のことを聞いたのですが、メモもなく忘れてしまったのが残念無念。
- 2021/08/30(月) 08:58:13|
- 工芸
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